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健康寿命を延ばすには No.893

最近、よく聞くようになった「健康寿命」とは、継続的な医療、介護に依存しないで自立した生活ができる期間をいう。日本はすでに平均寿命では世界でトップクラスに入るが、超高齢化社会を迎えるにあたり、単に寿命を延ばすだけでなく、いかに心身ともに健康で生活できる期間を延ばすかが重要になってくる。平均寿命と健康寿命の差が短ければ、老後は豊かなものになるだろうし、この間の医療費や介護費も削減できる。

厚生労働省「第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会資料」(2018年3月)によると、2016年において、男性の健康寿命は72.14歳(平均寿命80.98歳)、女性の健康寿命は74.79歳(同87.14歳)、平均寿命と健康寿命の差は男性で8.84年、女性で12.35年だ。いつの間にか「人生100年時代」といわれるようになった今、健康寿命の平均が70代前半だということを知ると、複雑な気持ちになる。

それでは、健康寿命を延ばすにはどうすればよいのだろうか。これは多くの人の関心事で、先日のNHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」では「健康寿命」(10月13日放送)を取り上げていた。この番組はNHKが独自に開発した人工知能「AIひろし」が日本が直面する課題を調査し、解決策を探るシリーズ。 健康寿命を延ばすヒントを探すため、北海道から沖縄に住む65歳以上、のべ41万人の生活習慣や行動の膨大なデータをAIに取り込み分析、その結果、健康要素と最も多く繋がっていたのは、「運動する」ではなく「本や雑誌を読む」だった。

番組では健康寿命が全国で男性1位、女性3位という山梨県に健康との関係を探りに向かった。そこで、健康寿命が長いにも関わらずスポーツの実施率は全国で最下位の山梨だが、人口に対する図書館の数は日本一だということがわかった。図書館を訪れるお年寄りたちに聞くと、バスで通ったり、館内で本を探しまわることが、いい運動になっているようだ。また、様々なジャンルの本を借りることで知的好奇心が刺激され、旅の本を見ることで過去の記憶が呼び覚まされ、記憶力アップに繋がっているとのこと。

なぜ読書が健康寿命を延ばすかを解明するのは難しそうだが、本や雑誌のなかにはまだ触れたことのない世界が広がっており、好奇心を呼び起こすきっかけになる。

何はともあれ、手っ取り早くできるのが読書だ。「AIひろし」の助言に従い、今度の休みは図書館で本を借り、秋の夜長を楽しんでみてはどうだろうか。