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それぞれのクールビズへ No.940

すっかり秋らしく過ごし易くなってきたが、2021年度から「クールビズ」の期日設定が廃止されていたことをご存知だろうか。施行の音頭を取ってきた環境省は「全国一律に実施期間の設定を行うことはせず、個々の事情に応じた省エネ・省CO2対策を」とアナウンスしている。すでにビジネスシーンで定着していることや、テレワークが増えたこともあって、あえて期間を廃止したのだろう。

ちなみに2020年度の設定期間は5月1日から9月30日までだったが、10月も「暑い日には各自の判断による軽装などの取り組みを」と呼びかけており、継続もOKということだった。1990年代には、金曜日くらいはラフなスタイルでいこうという「カジュアル・フライデー」があったが、いまひとつ浸透しなかった。こうしたなかで「クールビズ」が始まったのは2005年のこと。小泉内閣の肝いりで、当時の環境大臣の小池百合子氏が主導して「ノーネクタイ・ノージャケット」キャンペーンを広めていった。

環境省が公募して選んだネーミングは、「涼しい」「格好いい」という意味の‟Cool”と、仕事や職業の意味を表す‟business”の短縮形を掛け合わせたもので、2005年のユーキャン新語・流行語大賞にも選定された。この取り組みがその後も定着するかどうかは未知数だったが、2007年に行われたアンケートでは認知度が9割以上となり、いまなお企業や金融機関、官公庁で実施されているのだから完全に定着したといえる。

環境省では「室温28度」で快適に過ごせる軽装を想定しているが、人によっては暑いと感じるだろう。そのため、それをさらに進化させた「スーパークールビズ」が誕生した。2011年3月の東日本大震災の影響で電力不足が予想されたことでも拍車がかかった。スーパークールビズでは、ポロシャツやアロハシャツ、チノパン、スニーカーといったさらにカジュアルなファッションも認められ、その趣旨に賛同する多くの職場で取り入れられている。

クールビズのスタート以降、繊維メーカーや百貨店、量販店は、カジュアル商戦の大チャンスととらえて新商品の企画、販売を促進させた。半面、スーツやネクタイ業者は販売量を減らし、対応に追われたことだろう。

さて、クールビズの秋冬版である「ウォームビズ」。2020年は11月1日から3月31日までとしていたが、こちらも今季から期間は設けないようだ。