2020年9月全国の繊維倒産集計

件数は4月を除き連続の前年割れ、負債額は大口1社が底上げ

  • 発生件数21件
  • 負債額=48億9700万円

2020年(令和2年)9月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は21件で、前月比で6件(22.2%)、前年同月比では8件(27.6%)減少した。

負債額は48億9700万円で、前月比5億1900万円(11.9%)増、前年同月比では24億200万円(32.9%)減少した。

負債額10億円超の大型倒産は日本ベターリビング(株)(名古屋市南区、インテリア用品卸、負債額33億9300万円)1社、同5億円以上も(株)ハイドアウト(実質本社:東京都墨田区、紳士丸編ニットウエアほか製造、負債額5億円)のみで、引き続き1億円以下の小規模倒産が大勢を占めた。

日本ベターリビング(株)はカーペット、カーテン地ほかを扱い、平成年代初期には年商80億円の規模を誇った地元の中堅企業だが、1995/3期に年商80億円を割り込んで1億3000万円の赤字決算になってから業況が一変。以降は減収に歯止めがかからなくなり、辛うじて赤字決算を回避する程度の推移となった。近年は増収基調に回復したものの、利益は低調に推移するなど抜本的な経営再編が進まない中、9月1日付で事業を他社に譲渡。事前に取引関係先に対し、詳細な説明がなかったこともあり、動向が注視されていところ、同月29日事業を停止した。

当月もコロナ禍での外出自粛が続いたが、ドラッグストアやホームセンター、通販業者は引き続き好調で、夏の猛暑を受けて家電業界も持ち直しつつある。一方で衣料品は、セール・催事の規模縮小に加え、残暑の影響で秋物の動きは鈍く、苦戦を強いられた。インバウンドへの依存度が高かっただけに、業界全体の回復は他業種と比べて遅れており、大手小売の第2四半期をみても、厳しい結果となった企業が多い。

繊維倒産の件数は低水準で推移しているが、中小企業の多くは業績が回復して資金繰りが好転しているわけではない。5~6月にコロナ対策融資が一斉に投入されたことで、目先の決済資金を確保しているに過ぎず、将来を見据えた打開策にはなっていない。中にはコロナの影響で支払サイトの延長や一部延期を要請している先もあるなど、今後、倒産という形で表面化する可能性が高いとみられる。

業種別では、「小売商」8件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」6件、「織物卸」2件、「染色整理・特殊加工」「呉服・和装製品」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」「寝具・インテリア製品製造卸」「その他」各1件。

原因別では、「業績ジリ貧」が16件で76%を占め、「業況急変」4件、「信用度薄弱」各1件。

2020年9月東海・中部の繊維倒産集計

件数は低水準だが、負債額は大型倒産発生で大幅増加

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=4件
  • 負債額=35億6400万円

東海4県下の倒産件数は4件で、前月比4件増、前年同月比では同数だった。

負債額は35億6400万円で、前年同月比では24億8400万円(230.0%)の増加となった。

業種別では「染色整理・特殊加工」「織物卸」「寝具・インテリア製品製造卸」「その他」各1件。原因別では4件すべてが「業績ジリ貧」となっている。

大型倒産として日本ベターリビング(株)(名古屋市、インテリア用品卸、負債33億9260万円)が倒れたほか、水谷(株)(岐阜市、手芸材料卸)は、昨年11月に解散していたところ、債務整理のため岐阜地裁から特別清算開始となった。各種手芸材料、服飾品を扱い、国内の業者から仕入れ、当初はアパレルや縫製業者、量販店や専門チェーン店ほかに幅広く販売し、ピーク時の1990年代初期には20億円強の年商を維持していたが、その後は減収が続いて赤字決算を連発。先行き好転はないと判断して2016年7月19日付で、吸収分割により新設した別会社に事業を承継させていた。以降、社有不動産の売却などにより債務の返済を進め、今回の措置となった。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=4件
  • 負債額=35億6400万円

中部9県下の倒産件数は4件で、前月比同数、前年同月比では1件減少となった。

負債額は35億6400万円で、前月比33億2200万円(1372.7%)の増加となり、前年同月比では56億9000万円(215.4%)の増加となった。

業種別では「染色整理・特殊加工」「織物卸」「寝具・インテリア製品製造卸」「その他」各1件。原因別では4件すべてが「業績ジリ貧」となっている。

東海4県以外の発生はなかった。