2018年10月全国の繊維倒産集計

小規模倒産中心の傾向には変わりなく、低水準

  • 発生件数41件
  • 負債額=61億3100万円

2018年(平成30年)10月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は41件で、前月比1件(2.4%)減少したが、前年同月比は5件(13.9%)増加した。

負債額は61億3100万円で前月比14億8400万円(31.9%)増加したが、前年同月比19億6600万円(24.3%)減少した。

負債額10億円を超える大型倒産は、(株)AKIRA(東京都台東区、古着ほか小売、負債額13億円)の1社、5億円以上は大和スポーツ用品(株)(佐賀県鳥栖市、ゴルフ用具卸ほか、負債額5億7000万円)、(株)ビック(香川県観音寺市、婦人服ほか小売、負債額5億円)の2社のみとなった。前月は5億円以上の倒産が0件であったことから、前月比では増加となったものの、既往の通り小規模倒産中心の傾向には変わりなく、低水準で終わった。

当月も地方の小規模小売店の破たんが目立ち、全体の半分近くの件数を占めている。これは、インバウンド効果の恩恵を受ける都市圏や大手との格差が更に広がりを見せているほか、参入が相次ぐネット通販との競合も要因と見られ、アメリカでも百貨店のシアーズなどを経営するシアーズ・ホールディングスが負債総額約113億ドル(1兆3000億円)を抱え、Chapter11(日本の民事再生法)を申請しており、小売業界では世界規模で淘汰・再編が進んでいる。

6月以降相次いだ台風などの自然災害も当月は発生せず、環境自体は落ち着いた感はあったものの、来年10月の消費税増税の発表、米国株の暴落や米中貿易摩擦の懸念などを受けて日経平均は一時大きく下落、また原油高も続き、先行きの国内市況は楽観視できない状態となった。

繊維業界も残暑が長引き全般的には秋物衣料が振るわず、セールなどを導入するも店頭は苦戦、月後半は気温低下で先行した冬物衣料には一部動きはあったが、当月に発表された大手アパレルや百貨店の中間決算を見ても、本業の売上不振先が多く、厳しい環境が続いていることを示している。

2017年11月の倒産件数は17件と平成年代最低であったが、業界動向や倒産傾向を見ると中小零細企業の不況型倒産が大幅に減少するとは考え難い状況となっている。

業種別では、「小売商」21件、「その他」8件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」7件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」5件。

原因別では、「業績ジリ貧」が37件で全体の90.2%を占め、以下「業況急変」4件。

2018年10月東海・中部の繊維倒産集計

件数、負債額とも前月、前年同月を下回り低水準に

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=1件
  • 負債額=3000万円

東海4県下の倒産件数は1件のみで、前月比5件減少、前年同月比では3件減少となった。

負債額は3000万円で、前月比5億9600万円(95.2%)と大幅な減少となり、前年同月比でも4億1000万円(93.2%)の減少となった。

業種別では「小売商」、原因別では「業績ジリ貧」となっている。

(株)スポーツ堂(愛知県豊橋市、負債3000万円)は、豊橋駅前の商店街にサッカー用品の専門店「スポーツ堂」の店名で出店。サッカーシューズとウエアを中心に構成して、スポーツバッグ、帽子、小物なども扱い、中・高校生や20~30歳代の男性顧客を対象に販売するほか、豊橋市内の中学校への外販も行っていた。しかし年商を超える銀行借入金の返済が苦しくなり、余力のない資金繰りが続いていたが、今後の見通しが立たなくなり、営業継続を断念した。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=4件
  • 負債額=1億2500万円

中部9県下の倒産件数は4件で、前月比7件減少、前年同月比では2件減少した。

負債額は1億2500万円で、前月比11億1100万円(89.9%)の減少、前年同月比では3億9200万円(75.8%)の減少となった。

業種別では4件すべてが「小売商」。原因別では「業績ジリ貧」が3件、「業況急変」が1件。

東海4県以外では3件発生し、いずれも滋賀県だった。馬淵商店(大津市、負債2000万円)は、「馬渕ニットセンター」の店名で手芸用品を主体に衣料品や洋品雑貨を扱い、地元の一般顧客を対象に販売していたが、手芸人口の減少や近隣の同業店との競合で、苦戦していたが、やむなく今回の措置となった。