2020年12月全国の繊維倒産集計

負債額5億円以上の倒産がなく、負債額・件数とも過去最少

  • 発生件数17件
  • 負債額=12億4200万円

2020年(令和2年)12月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は17件で、前月比で12件(41.4%)減、前年同月比では14件(45.2%)減と8ヶ月連続の減少となった。

負債額は12億4200万円で、前月比80億6700万円(86.7%)減、前年同月比では 13億7000万円(52.5%)減少した。

件数が10件台となったのは1973年(昭和48年)の5月と9月、負債額が10億円台となったのは1963年(昭和38年)以来で、現在の集計方法に統一されてからは件数、負債額とも過去最少となった。当月は負債額10億円超の大型倒産だけでなく、5億円以上も0件で、1億円以上も5件に止まり、小規模倒産のみだった。1年間を通じて5億円以上が発生しなかったのは当月のみであり、これを受けて年間倒産件数・負債額ともに前年を大きく下回った。

当月もコロナウイルスの感染拡大が続き、飲食店への時短要請や実質的な外出自粛要請により、年末商戦は盛り上がらず、消費マインドは冷え込んだ状態で、国内経済の先行き不透明感が増すばかりとなった。

(株)ダイヤメット(新潟市東区、粉末冶金製品製造、民事再生法)が令和最大となる負債約578億円を抱えて破たんしたが、全業種の年間倒産件数・負債額ともに前年を下回る状況で、コロナ禍の実態経済と倒産動向が乖離していることが伺える。

また、株式市場は世界的にワクチン接種が進んでいることなどをプラス材料として、バブル並みの高値を維持しているが、コロナ変異種の拡大も伝えられ、終息の目途が立たない中、過剰な投資に伴うリスクは高まっている。

繊維業界においては気温の冷え込みにより、11月以降冬物の動きは活発化して明るい兆しはある。しかし、外出自粛が続く中、店頭の苦戦は続いており、ECでの拡販によりZOZOTOWNなど一部の企業は活況だが、業界全体の底上げには至らない。

近時は廃業を決断する企業も増加傾向にあり、また、本業外でマスク・防護服などの特需により、業績を下支えしていた企業もあるが、特需が一巡した後の事業展開に課題を残している。

コロナ特別融資や持続化給付金の利用により、目先の資金繰りが改善されている企業も多いが、年明け以降は秋冬物の仕入決済の時期となる。売上不足や受注環境の悪化が続く中、新たな資金調達手段がなく、事業継続を断念せざるを得ない先が増加することも懸念される。

業種別では、「小売商」8件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」4件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」3件、「呉服・和装製品」「その他」各1件。

原因別では、「業績ジリ貧」が15件で88.2%を占め、「資金力薄弱」2件。

2020年12月東海・中部の繊維倒産集計

東海4県下、中部9県下とも12月は倒産発生せず

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=0件
  • 負債額=0円

東海4県下の倒産件数は0件。2020年中では5月、8月に続いて倒産の発生がなかった。12月に東海4県下で倒産の発生がなかったのは平成、令和年代では初のこと。

※弊社データベースへの登録開始の1984年(昭和59年)以降では、12月の発生がなかったのは1985年(60年)以降初めて。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=0件
  • 負債額=0円

中部9県下の倒産件数は0件で、2020年中で倒産の発生がなかったのは12月のみ。12月に中部9県下で発生がなかったのは平成、令和年代では初めて。

※弊社データベースへの登録開始の1984年(昭和59年)以降では、12月の発生がなかったのは初めて。