2018年5月全国の繊維倒産集計

件数は、負債額ともに前年比は大幅減

  • 発生件数32件
  • 負債額=42億9800万円

2018年(平成30年)5月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は32件で、前月比同件数(32件、0.0%)、前年同月比で14件(27.3%)減少した。

負債額は、42億9800万円で前月比19億4600万円(31.2%)、前年同月比では128億900万円(74.9%)とそれぞれ大きく減少している。

5月は負債額10億円を超える大型倒産は発生せず、5億円を超える倒産も(株)内田太郎商店(広島県福山市、婦人ボトムス製造、負債額5億7000万円)1社のみ。次いで負債額3億円が協立商事(株)(鹿児島市、ギフト・小物雑貨小売)ほか3社だった。

負債額1億円未満の倒産が16件と半数(50%)を占め、そのうち10件は負債額5000万円未満となっており、これまでと同様に小規模・小口倒産が中心となっている。

件数が減少した背景には、繊維倒産の発生要因そのものが減少していることにあるとみられる。

冬物商戦のセール期間が年々早くなる傾向にあり、これに合わせて冬物衣料の決済も前倒しされ、従来と比べ、この時期の決済資金需要は減少している。また、今冬は年明け後も気温が低かったことから、冬物商品の在庫を例年よりも消化できたことが寄与したと考えられる。

今年は4月末からのGWが、例年と比べ長期連休(最大9日間)だったことから、旅行やレジャー関連の需要は好調だった。百貨店は引き続き化粧品、高級ブランドバッグ、小物などのインバウンド需要は堅調であったものの、夏物衣料の販売は苦戦を強いられ、繊維業界にとっては厳しい環境が続いている。

さらに、為替も円安傾向が続き、仕入れコストの増加も懸念され、今後も資金力が脆弱な中小零細企業の経営破たんが中心となることが予想される。

業種別では、「小売商」が16件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」が9件、これらの業種で25件となり、全体の8割弱(78.1%)を占める。以下「その他」4件、「織物製造」、「呉服・和装製品製造卸」、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」各1件。

原因別では、「業績ジリ貧」が25件で8割弱(78.1%)を占め、以下「業況急変」5件、「放漫経営」、「資金力薄弱」各1件となっている。

2018年5月東海・中部の繊維倒産集計

件数は引き続き低水準、負債額は前月比で減少

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=5件
  • 負債額=6億8800万円

東海4県下の倒産件数は5件で、前月比1件増加、前年同月比では4件の増加となった。

負債額は6億8800万円で、前月比3億4300万円(33.3%)の減少、前年同月比では6億3800万円(1276.0%)の増加となった。

業種別では「小売商」2件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」「呉服・和装製品製造卸」がそれぞれ1件。原因別では「業績ジリ貧」「業況急変」がそれぞれ2件、「放漫経営」が1件。

(株)双和(岐阜市、負債3億円)は、著名スポーツメーカーのウインドブレーカーの加工を手掛け、ピーク時の昭和62/8期売上高は16億8853万円を上げていたが、近年は減収基調に歯止めがかからなくなり、さらに28/4期中、中国の工場閉鎖に伴い多額の「経済補償金」を負担することとなり、債務超過に転落した。このため、取引銀行に借入金のリスケを要請するなど立て直しを進め、29年10月には旧本社不動産を売却して債務を圧縮したものの、先行きの見通しが立たなくなり、事業継続を断念した。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=9件
  • 負債額=9億6600万円

中部9県下の倒産件数は9件で、前月比では3件増加、前年同月比では5件増加した。

負債額は9億6600万円で、前月比4億6100万円(32.3%)の減少、前年同月比では3億3600万円(53.3%)の増加となった。

業種別では「小売商」が5件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」が2件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」「呉服・和装製品製造卸」がそれぞれ1件。原因別では「業績ジリ貧」が5件、「業況急変」が3件、「放漫経営」が1件。 東海地区以外の発生は石川2件、福井、滋賀でそれぞれ1件発生した。