2018年12月全国の繊維倒産集計

件数・負債額ともに前月を下回る

  • 発生件数22件
  • 負債額=35億8900万円

2018年(平成30年)12月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は22件で、前月比7件(24.1%)、前年同月比13件(37.1%)減少した。

負債額は35億8900万円で前月比6億1800万円(14.7%)減少したが、前年同月比11億9100万円(49.7%)増加した。

負債額10億円を超える大型倒産はホウコク(株)(名古屋市守山区、エプロンほか製造、負債額10億1300万円)1件。5億円以上も(株)桐屋(新潟県十日町市、染呉服製造、負債額6億円)、カフラス(株)(実質本社:長野市、ファンデーション製造、負債額5億円)の2社にとどまった。

ホウコク(株)はエプロンを中心にタオル製品や婦人服、インテリア用品など扱品は多岐にわたり、量販店を主販路として業容を拡大した。しかし、量販店の衣料部門の落ち込みに比例して当社も売上が減少し、2008/1期の43億5000万円から直近の2018/1期は12億1300万円と、10年間で1/4にまで落ち込んでいた。近時は大幅な赤字決算を余儀なくされて事業継続を断念。流通形態の変化に対応できなかった繊維業界においては典型的な不況型倒産と言える。

当月は世界経済の減退やアメリカの株価下落も受けて日経平均は急落。25日には1万9155円と2017年4月以来、約1年8カ月振りの水準となり、同時に為替市場も円高が進行。27日には株価は2万円台を回復したものの、2019年の経済動向に不安を残すこととなった。

11月から続く暖冬の影響で、冬物重衣料の動きが鈍く、店頭ではプロパー販売が苦戦したまま年末セールに入るなど、衣料品分野は依然としてインバウンド関連を除き、根強い消費不振が続いている。

業界を牽引してきた(株)しまむらは2019/2期第3四半期で減収に転じ、野中正人会長が体調悪化を理由に代表を辞任。バーバリーブランドの中止後、業績不振に陥っている(株)三陽商会は2018/12期決算も減収・赤字決算予想となるなど、消費者の趣向や販売チャネルの変化が一層進んでいることが伺える。

年末・年始セールの結果や今後の販売状況にもよるが、不良在庫を抱え、資金繰りの悪化が表面化する企業も出る可能性があり、予断を許さない状況が続くものとみられる。

業種別では、「小売商」7件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」6件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」4件、「織物製造」「織物卸」「呉服・和装製品製造卸」「寝具・インテリア製品製造卸」「その他」各1件。

原因別では、「業績ジリ貧」が21件で95.5占めた。

2018年12月東海・中部の繊維倒産集計

件数は依然低水準、負債額は前月・前年同月比大幅増

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=4件
  • 負債額=11億1200万円

東海4県下の倒産件数は4件で、前月比3件増加、前年同月比で1件増加となった。

負債額は11億1200万円で、前月比10億9000万円(4954.5%)の増加となり、前年同月比では9億8400万円(768.8%)の増加となった。

業種別では「ニット製品・洋品雑貨製造卸」2件、「小売商」各2件で、原因別ではすべてが「業績ジリ貧」となっている。

12月の負債額を引き上げたのがホウコク(株)(名古屋市、負債10億1300万円)で、エプロン主体にホームウェア、タオル製品などを扱い、主に中国、インドからの輸入を軸に規模を拡大、関東の量販店や地元百貨店、問屋などに販売してピーク時の2008/1期は売上高43億5525万円を計上していた。しかしその後は売上ジリ貧に歯止めがかからなくなり、採算面もここ2期は連続で多額の赤字を出し、資金面も借入金に依存した余力のない繰り回しが続いていた中、事業継続の見通しも立たなくなった。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=6件
  • 負債額=17億3800万円

中部9県下の倒産件数は倒産件数は6件で、前月比3件増加、前年同月比でも3件増加した。

負債額は17億3800万円で、前月比15億5600万円(854.9%)の増加、前年同月比では16億1000万円(1257.8%)の増加となった。

業種別では「ニット製品・洋品雑貨製造卸」3件、「小売商」2件、「織物製造」1件、原因別ではすべてが「業績ジリ貧」となっている。

東海4県以外では長野県と福井県でそれぞれ1件発生。カフラス(株)(長野県松本市、負債5億円)は東証1部上場でインナー・靴下製造ほかの片倉工業(株)(東京都)の100%出資子会社。カタログ通販や量販店からOEM受注して、ファンデーション製造を行っていたが、親会社の経営計画の一環として今回の措置となった。