2017年4月全国の繊維倒産集計

件数、負債ともに前月比減少

  • 発生件数30件
  • 負債額=44億9200万円

2017年(平成29年)4月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は30件、前月比で19件(38.8%)、前年同月比2件(6.3%)それぞれ減少した。

負債額は44億9200万円で、前月比22億1100万円(33%)、前年同月比3億9900万円(8.2%)の各減少となっている。

負債額10億円を超える倒産は装いの道(株)(実質本社:東京都文京区、登記面:東京都千代田区、呉服小売、着付教室運営ほか、負債額10億8000万円)1社のみで、5億円以上においても(株)松屋(秋田市中通、婦人服・洋品ほか小売、負債額6億円)の1社にとどまり、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いている。なお、和装関連業者の大型倒産は2015年6月に民事再生法を申請した㈱旧吉利(東京都、旧商号(株)吉利)以来、1年10ヵ月ぶりだが、和装業界は需要低迷や次々販売の問題などから、厳しい環境に置かれている状況に変化はない。

4月27日に日銀が開催した金融政策決定会合では、「緩やかに拡大しつつある」と、景気の基調判断を引き上げた。背景には海外経済の好調に伴う輸出増加があるためだが、家計における消費支出が減少する中で、衣料品の購入にもしわ寄せがきており、3月も春物衣料が伸び悩み、同月の百貨店売上高は13ヵ月連続の前年割れとなるなど回復の兆しに乏しい。

当月発表が続いた2月期決算の繊維関連上場企業においても、減損損失、リストラ費用の計上などで赤字に転落する企業が散発した。大手が集まる3月期決算企業においては、3Q時点で増益見込みとする先が多く見られるが、予想通りに着地できるかどうか注目が集まっている。

店頭では季節が替わり春夏シーズンの品揃えとなったものの、現場からは秋冬物の積み残しも少なからず聞かれており、想定以上の販売不振から今後の資金計画に苦慮する先の増加が懸念される。

また、海外情勢に目を向けてみると、緊張が続く朝鮮半島情勢に絡んで「有事の円買い」による日経平均株価とドル円為替の不安定な値動きが見られるなど外的要因による影響もあり、当面は先行きの不透明感が否めない状態が続くものと思われる。

業種別では、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」13件、「小売商」9件、「織物卸」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」「その他」各2件、「糸・原料商」「寝具・インテリア製品製造卸」各1件なった。

原因別では、「業績ジリ貧」が27件で全体の90%を占め、以下「貸し倒れ損失」「資金力薄弱」「業況急変」各1件となっている。

2017年4月東海・中部の繊維倒産集計

負債額は前月比、前年同月比とも大幅に減少

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=4件
  • 負債額=2億7600万円

東海4県下の倒産件数は4件で、前月比では同数となり、前年同月比では2件の減少となった。

負債額は2億7600万円で、前月比7億5400万円(73.2%)の減少、前年同月比では6億8900万円(71.4%)の減少となった。業種別では「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」2件、「織物卸」1件、「糸及び原料商」1件。原因別では「業況急変」3件、「貸し倒れ損失」が1件となっている。

(株)サン・オオノ(愛知県岩倉市、負債1億円)は、昭和37年愛知県一宮市にて個人創業(29年2月現所-倉庫地に移転)したもので、紡績や仲間筋から各種糸を仕入れて地元の業者に販売、尾州産地が活況だった昭和期のピーク時には8億円前後の年商を上げたこともあったが、平成年代は海外製品の流入により苦戦。産地の生産量そのものが落ち込んで売上ベースを下げ、近年では1億円強の年商を維持することが精一杯となり、赤字決算を散発。銀行借入と役員借入が年商を超える状況で推移していたところ、破産したタカヒロテキスタイル(株)(愛知県一宮市、2月21日破産開始決定)に貸倒れが発生した後、動向が注目されていた。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=4件
  • 負債額=2億7600万円

中部9県下の倒産件数は4件で、前月比では6件減少、前年同月比では4件の減少となった。

中部9県下の倒産件数は4件で、前月比では同数、前年同月比では3件の減少となった。

負債額は2億7600万円で、前月比7億5400万円(73.2%)の減少、前年同月比では12億7700万円(72.4%)の減少となった。

4月は「東海」4県を除く中部地区5県内の倒産は発生しなかった。