2017年12月全国の繊維倒産集計

件数増加も、負債額は引き続き低い水準

  • 発生件数35件
  • 負債額=23億9800万円

2017年(平成29年)12月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は35件、前月比で18件増(105.9%)、前年同月比で6件増(20.7%)。

負債額は23億9800万円で、前月比2億3100万円増加(10.7%)、前年同月比 36億3400万円減少(60.2%)した。

負債額10億円を超える大型倒産の発生はなく、3、7、8、11、12月と年間5回発生しなかったのは過去最多。5億円以上も発生せず、3億円以上で㈱ジーテラス(東京都千代田区、衣料総合小売ほか、負債4億5000万円)とユートレーディング㈱(東京都港区、婦人服地卸ほか、負債3億円)の2件のみ。

負債額1億円以下の少額倒産は29件で、82.9%のシェアとなり、そのうち24件が5000万円以下だった。

前月と比べ件数が増えたのは、11月までの破産申請の中で、12月に開始決定がズレ込んだ案件が多かったためと思われ、引き続き低い水準で推移していることに変わりはない。

また負債額も、大型倒産の発生がなかったうえ、前述のとおり負債額5000万円未満の小売商が13件と、3分の1以上のシェアを占めたことで、11月に次ぐ低い水準となった。

冬物商戦が本格化する月初めに、急激に気温が下がったことで、コート、防寒着を中心とする冬物衣料の販売が好調だった。ここ2年続いた暖冬の影響で、苦戦を強いられた百貨店や量販店にとって「寒い冬」の滑り出しは追い風となった。

しかし、繊維業界では過剰な繰越在庫を抱えて、資金繰りが悪化することを避けたいとの考えから、今冬物の生産量や在庫数量を前年並か、それを下回る水準に抑制した中小・零細企業が多く、「寒い冬」の恩恵を受けてはいないとされる。これは対象となるそれら企業の売上状況が、低い水準で推移していることからも裏付けられる。

一方では、年明け早々や年度替わりをメドに、支店や事業所の統合・閉鎖、事業部の廃止などを進める企業が増えるとも伝えられ、「平成」年代の最後となる今年は、繊維業界の統廃合が加速化する可能性がある。

業種別では、「小売商」16件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」11件、「織物卸」3件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」2件、「呉服・和装製品製造卸」「寝具・インテリア」「その他」各1件。原因別では、「業績ジリ貧」34件「業況急変」1件だった。

2017年12月東海・中部の繊維倒産集計

件数、負債額とも低水準続く

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=3件
  • 負債額=1億2800万円

東海4県下の倒産件数は3件で、前月比、前年同月比とも1件減少した。

負債額は1億2800万円で、前月比1億7300万円(57.5%)の減少、前年同月比では30億5600万円(96.0%)の減少となった。2016年の12月には服飾雑貨・インナー製造の石田㈱(岐阜市、負債28億4362万円)の倒産があったため、大幅な減少になった。

業種別では「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」「小売商」がそれぞれ1件。原因別では、3件すべてが「業績ジリ貧」で、これは5か月連続。

まき呉服店(岐阜県美濃市、負債8000万円)は、60年以上の業歴を有し、呉服類(一般呉服、浴衣等)を主体に、一部宝飾品を加味した商品構成で、京都及び岐阜地区のメーカー、問屋筋から仕入れ、店頭小売と年数回展示会を開催していたが、和装需要の減退と顧客の高齢化から売り上げは後退。近時は3000万円を下回る年商規模で推移していたところ、銀行借入金に依存した苦しい資金繰りを続けていた。最近では代表者1人による営業が続く中、借入金等の完済が困難なことから立ち行かなくなったもの。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=3件
  • 負債額=1億2800万円

中部9県下の倒産件数は3件で、前月比では1件減少、前年同月比では2件減少した。

負債額は1億2800万円で、前月比1億7300万円(57.5%)の減少、前年同月比では30億6600万円(96.0%)の減少となった。

なお2017年の負債額は4月の2億7600万円が最低だったが、12月はそれをさらに下回る数字となった。

なお、東海地区以外の倒産発生はなかった。