2018年11月全国の繊維倒産集計

件数・負債額とも前年同月比は増加も、低水準

  • 発生件数29件
  • 負債額=42億700万円

2018年(平成30年)11月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は29件で、前月比12件(29.3%)減少したが、前年同月比は12件(70.6%)増加した。負債額は42億700万円で前月比19億2400万円(31.4%)減少したが、前年同月比20億4000万円(94.1%)増加した。

負債額10億円を超える大型倒産は0件。5億円以上も中半産業(株)(東京都墨田区、ゴルフウエアほか製造、負債額8億3300万円)、(株)ティケィエフ(埼玉県朝霞市、婦人靴下製造ほか、負債額7億円)の2社にとどまった。

2017年11月は件数・負債額ともに平成年代最少であったことから、前年同月比では増加となったが、引き続き不況型の業績不振による小規模倒産が大勢を占め、低水準に終わった。

  

また、1~11月の倒産統計から予測すると、今後大型倒産の多発などがない限り、今年度は2017年度の件数・負債額とほぼ同程度の状況になるものとみられる。

当月は韓国等との外交問題に加え、日産(株)会長のカルロス・ゴーン氏が逮捕され、相次いだ不正検査問題など、今後日産を含む自動車業界への影響が懸念されるが、比較的国内経済は安定している。

一部大手小売ではブラックフライデー、ECサイトでもブラックフライデーとサイバーマンデーというイベントを開催し、消費喚起が図られたものの、安価な割引セールという側面が強く、恩恵は限定的で、内閣府が発表した地域経済動向でも、九州地区の景況判断が引き下げられるなど、足元の消費は依然弱含みとなっている。

衣料品分野では暖冬傾向により冬物が不振で、この状況が続くと年末・年始セールにも不安が残り、繁忙期にあたる繊維業界にとっては、厳しい業績も予想される。また、流通業界では、イオン、イトーヨーカドーが中心となり、地方スーパーを取り込む業界再編が進んでおり、今後売場構成の見直しなどが行われると、量販アパレルなどに与える影響も懸念される。

昨今、年末の12月は倒産の多発がないことから、売上高不足が続く中小企業の破たんはあるものの、低水準で推移するものと予想される。

業種別では、「小売商」11件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」各5件、「織物製造」3件、「その他」2件、「染色整理・特殊加工」「呉服・和装製品製造卸」「寝具・インテリア製品製造卸」各1件。

原因別では、「業績ジリ貧」が28件で全体の約97%を占め、以下「貸倒れ損失」1件。

2018年11月東海・中部の繊維倒産集計

件数、負債額とも今年最少、引き続き低水準に

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=1件
  • 負債額=2200万円

東海4県下の倒産件数は1件のみで、前月比同数、前年同月比では3件減少となった。

負債額は2200万円で、前月比800万円(26.7%)の減少となり、前年同月比でも2億7900万円(92.1%)の減少となった。

業種別では「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」、原因別では「業績ジリ貧」となっている。

シノダソーイング(有)(岐阜県関市、負債2200万円)は、岐阜市内のアパレルメーカーから受注して婦人服の縫製を手掛け、平成年代初期は3000万円前後の年商で推移したが、工賃単価を抑制され赤字決算を散発するなど苦戦していた。その後も海外生産へのシフトが進んで、受注環境がさらに悪化していた模様で、債務返済の見通しが立たなくなった。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=3件
  • 負債額=1億8200万円

中部9県下の倒産件数は3件で、前月比1件減少、前年同月比でも1件減少した。

負債額は1億8200万円で、前月比5700万円(45.6%)の増加、前年同月比では1億1900万円(39.5%)の減少となった。

業種別では「織物製造」「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」「寝具・インテリア製品製造卸」がそれぞれ1件。原因別ではすべてが「業績ジリ貧」となっている。

東海4県以外では石川県と滋賀県でそれぞれ1件発生。(株)糸広(石川県小松市、負債4000万円)は、家族就労による小規模経営で、地元の生地メーカーから下請受注してニット生地の加工を手掛け、平成年代初期には7000万円前後の年商をあげていたが、近年は海外生産へのシフトが進んで、国内の生産量自体が減少するなど受注環境が悪化。売上が減少して借入金返済の見通しが立たなくなっていたところ、29年10月に金沢地裁が本社不動産の競売開始を決定したことで、事業を停止していた。