2018年6月全国の繊維倒産集計

件数は前年同月大幅減、負債額も同マイナス

  • 発生件数28件
  • 負債額=47億7100万円

2018年(平成30年)6月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は28件、前月比で4件(12.5%)、前年同月比で16件(36.4%)それぞれ減少した。

負債額は47億7100万円で前月比4億7300万円(11.0%)増加したが、前年同月比15億300万円(24.1%)のマイナスとなっている。

負債額10億円を超える大型倒産は1件で(株)ジーンズショップオサダ(静岡市清水区、ジーンズ・カジュアル衣料小売、負債額14億3000万円)。同5億円以上も(株)ベルズインターナショナル(三重県四日市市、かばん・袋物製造、同8億円)1件のみで、同5億円未満の小規模・小口倒産が大半を占めている。

国内経済は百貨店、スーパーともに首都圏を中心に都市部は健闘しているものの、インバウンド需要に依存するところが大きく、全体の売上高としては前年比マイナスの基調で推移している。6月30日に名古屋市内の老舗百貨店「丸栄」が閉店、403年の歴史に幕を下ろした。このように従来型・既存型の箱もの「小売業態」が、業績低迷に加え、建物設備の老朽化等を要因に建替えやリニューアルする動きが活発化しているが、改装後は飲食やアミューズメントなど、物販以外での活用が計画され、衣料品を主体とする繊維関連製品の流通数量のシュリンク化が漸次進行している。

一方で、インターネット付帯サービスの(株)メルカリが6月19日に新規上場、CtoC(個人間売買)市場の拡大で、中古衣料品等の繊維製品の取り扱いが拡大趨勢にある中、既存業者にとっては、さらに厳しい環境下での事業展開が予想される。

6月18日に発生した「大阪北部地震」により、近畿圏の物流、交通インフラの機能が著しく低下した。こうした自然災害の影響も今後あらゆる面で影を落とす可能性がある。

業種別では、「小売商」が14件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」が7件、以下「その他」4件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」2件、「寝具・インテリア製品製造卸」1件。

原因別では、「業績ジリ貧」が24件で全体の85.7%を占め、以下「資金力薄弱」2件、「信用度薄弱」「業況急変」各1件となっている。

2018年6月東海・中部の繊維倒産集計

件数は引き続き低水準だが、負債額は大幅に増加

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=6件
  • 負債額=25億8000万円

東海4県下の倒産件数は6件で、前月比1件増加、前年同月比でも1件の増加となった。

負債額は25億8000万円で、前月比18億9200万円(275.0%)の増加、前年同月比でも22億4600万円(672.5%)と大幅に増加した。

業種別では「小売商」「その他」がそれぞれ2件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」がそれぞれ1件。原因別では「業績ジリ貧」が5件、「業況急変」が1件。

(株)ジーンズショップオサダ(静岡市、負債14億3000万円)は、ジーンズを中心に紳士、婦人カジュアルウエアを扱い、静岡県内を中心に主要道路沿いに店舗展開して規模を拡大、19/8期には年商約47億円を上げていたが、「ユニクロを中心としたファストファッション系の出現により値引き合戦が始まった」(債権者に宛てた通知から)こともあって売上高が減少し、25/8月期以降は赤字決算を連発。一部の仕入先に対し分割払いを要請するなど、資金繰りがひっ迫していた中、自力での立て直しが困難になった。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=9件
  • 負債額=27億4800万円

中部9県下の倒産件数は9件で、前月と同数、前年同月比では3件増加した。

負債額は27億4800万円で、前月比17億8200万円(184.5%)の増加、前年同月比では22億3400万円(434.6%)の増加となった。

業種別では「小売商」が4件、「その他」が3件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」がそれぞれ1件。原因別では「業績ジリ貧」が7件、「業況急変」、「資金力薄弱」がそれぞれ1件。

東海地区以外の発生は長野、石川、福井でそれぞれ1件発生した。