2019年10月全国の繊維倒産集計

大型倒産が1件のみで、前月比、前年比とも負債額は大幅減

  • 発生件数33件
  • 負債額=49億2500万円

2019年(令和元年)10月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は33件で、前月比4件(13.8%)増加、前年同月比8件(19.5%)減少した。

負債額は49億2500万円で前月比23億7400万円(32.5%)減少、前年同月比でも12億600万円(19.7%)減少した。

負債額10億円を超える大型倒産は(株)RONI WORLD(東京都中央区、子供服製造・小売、負債額12億円)1社のみ、同5億円以上も中川商事(株)(北海道函館市、衣料総合卸・小売、負債額7億5000万円)、丹後生糸(株)(京都市下京区、白生地製造、負債額5億4000万円)の2社。その他は大半が少額案件で、負債額1億円以下の小規模倒産と同5000万円未満の小売商が全体の70%を占めた。

(株)RONI WORLDは2015年7月に民事再生法を申請した(株)アダプトの受け皿会社としてスタートしたが、当初計画していた売上を確保できず、短期間で破たんに追い込まれた。

中川商事(株)は函館市の本社ほか、札幌支店と青森営業所を拠点として百貨店や量販店、小売商に販売していたが、店頭不振が続く中、今夏の天候不順のあおりで夏物衣料が売れず、資金繰りに行き詰った。

丹後生糸(株)は昨年8月事業を他社に譲渡し、以降は債務整理を進めていたもので、負債は金融債務のみだった。

百貨店や量販店は都心部の一部を除き、厳しい商況を強いられているが、ここにきて大手や中堅を中心に大掛かりな「売り場改革」に乗り出している。

そごう・西武は2021年2月までに5店舗を閉鎖して、1300人規模の人員削減を行う旨、発表。また、イトーヨーカ堂は不採算の33店舗の閉鎖や統合を検討するとともに、衣料品の売り場面積の大幅圧縮やプライベートブランドからの撤退も模索している。 一方で、オンワードホールディングスは第2四半期決算会見で、国内外の2割に相当する600店舗を閉店する方針であり、減損損失220億5900万円ほか特別損失252億円を計上する旨、発表した。

衣料品を中心に店頭の販売不振が長期化・深刻化する中で、市場では規模縮小を柱とする抜本的な改革が進められようとしている。

強固な財務基盤や資金力を持つ一部の大手は生き残りをかけて思い切った施策を講じることもできるが、それらを納入先とする繊維業者の多くは、すでに限界に近いリストラを繰り返しており、一層厳しい状況になるものと思われる。また、ここ数年続いている異常気象や自然災害が地域によっては消費に致命的な影響を及ぼしており、今冬の販売動向を注視したい。

業種別では、「小売商」14件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」9件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」4件、「織物製造」「その他」各2件、「紡績・撚糸製造」「糸・原料商」各1件。原因別では、「業績ジリ貧」30件、「業況急変」3件。

2019年10月東海・中部の繊維倒産集計

件数は依然低水準、負債額は前月比で大幅減少

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=4件
  • 負債額=1億2400万円

東海4県下の倒産件数は4件で、前月比で同数となり、前年同月比では3件増加した。

負債額は1億2400万円で、前月比9億5600万円(88.5%)の減少となり、前年同月比では9400万円(313.3%)の増加となった。

業種別では「小売商」2件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」1件、「その他」1件。原因別では「業績ジリ貧」3件、「業況急変」1件となっている。

東洋宣興(株)(愛知県豊橋市、布帛製品製造、負債額4000万円)は、エプロン、バッグ類を主力にのぼり旗、幕、はんてん、タオル製品などを扱っていたが、安価な中国製品との競合で販売価格を抑制され、赤字が多発。これまでに社有不動産を売却して借入金を圧縮するなど経営再編に取り組んだものの、減収基調に歯止めがかからず、近時はさらに商環境が悪化して、立ち行かなくなった。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=6件
  • 負債額=4億9900万円

中部9県下の倒産件数は6件で、前月比1件増加、前年同月比では2件の増加となった。

負債額は4億9900万円で、前月比6億3100万円(55.8%)の減少となり、前年同月比では3億7400万円(299.2%)の増加となった。

業種別では「小売商」2件、「糸・原料商」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」各1件。原因別では「業績ジリ貧」5件、「業況急変」1件となっている。

東海4県以外の倒産では石川で2件発生した。

(株)ビクトリー(石川県珠洲市、カジュアルウエアほか縫製、負債額3億円)は、名古屋、東京エリアに受注基盤を構築していたが、得意先の海外生産へのシフトが進んで厳しい状況となり、カジュアルウエアに軸足を移していたところ、資金繰りが限界に達した。