2017年6月全国の繊維倒産集計

件数、負債額ともに前年同月から増加も、小規模倒産が大半

  • 発生件数44件
  • 負債額=62億7400万円

2017年(平成29年)6月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は44件で、前月と同件数、前年同月比は9件(25.7%)増加した。負債額は62億7400万円で、前月比34億3300万円(35.4%)減少、前年同月比10億9700円(21.2%)増加した。

負債額10億円を超える倒産は(株)ゾディアック(東京都渋谷区、婦人カジュアルウエア製造、負債26億2071万円)1社のみで、5億円以上においても同社グループの(株)アセットナイン(旧商号(株)デュラス、東京都渋谷区、婦人カジュアルウエア小売、負債8億2000万円)の1社にとどまるなど、引き続き中小零細企業の小規模倒産が大半を占めた。このような中、前記の(株)アセットナインのほか、負債額は比較的少額であったものの、5日に民事再生法を申請した(株)CODE.9(東京都目黒区、婦人服製造ほか、負債額2億2974万円)といった、ヤングレディース向けブランドを展開するメーカーの倒産が注目された月となった。

繊維業界のみならず、倒産の発生件数自体は概ね小康状態と言える推移だが、26日には、リコール問題で動向が注視されていた東証1部上場自動車安全部品メーカーの(株)タカタ(東京都品川区)が、自力再建をついに断念し、関連会社のタカタ九州㈱(佐賀県多久市)、タカタサービス(株)(所在地・業種同)ともども、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債は3社合計で約1876億2400万円に上り、さらに海外子会社12社(米国連邦倒産法第11条を申請)の負債や、各自動車メーカーが負担したリコール費用を含めると、グループの負債総額は1兆円を大きく上回る、製造業の倒産としては過去最大級となる見通しとなった。再生計画の詳細がまだ不透明な中、政府は一定の直接取引関係を有する中小企業・小規模事業者を対象として、一般保証とは別枠の限度額で融資額の100%を保証するセーフティネット保証1号の発動を決めているが、先の連鎖倒産や景気への影響が懸念される。

内閣府は6月の月例経済報告で、個人消費の動向ついて「実質総雇用者所得は緩やかに増加しており、消費マインドは持ち直している」と分析。経済産業省が29日に発表した5月の商業動態統計(速報)を見ても、小売業販売額は前年同月比2%増の11兆7590億円と、昨年11月から7ヵ月連続で前年実績を上回り、景気回復の材料も窺える。

しかし、衣料品関係は、百貨店で前年比(既存店)-2.2%(19ヵ月連続減)、スーパーで-4.3%(10ヵ月連続減)と、店頭での販売不振は続いており、6月下旬から夏物セールが徐々に始まっているが、まだまだ厳しい商況が続くものと見られる。

業種別では、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」14件、「小売商」13件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」8件、「その他」5件、「染色整理・特殊加工」2件、「織物製造」「糸・原料商」各1件。

原因別では、「業績ジリ貧」が40件で全体の90%を占め、次いで「貸し倒れ損失」「資金力薄弱」「信用度薄弱」「業況急変」各1件となっている。

2017年6月東海・中部の繊維倒産集計

負債額は前月を上回るも、前年同月比では大幅減

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=5件
  • 負債額=3億3400万円

東海4県下の倒産件数は5件で、前月比では4件増加、前年同月比では4件の減少となった。

負債額は3億3400万円で、前月比2億8400万円(568%)の増加、前年同月比では7億4800万円(69.1%)の減少となった。業種別では「染色整理・特殊加工」「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」「小売商」「その他」がそれぞれ1件。原因別では、すべて「業績ジリ貧」となっている。

(株)プラタ・ド・レステ(名古屋市、負債1億2000万円)は、革製の財布やキーホルダー、小銭入れ、パスケースほか、ネックレス等シルバーアクセサリーや雑貨を海外製品中心に扱い、愛知県や岐阜県内の大型量販店などに「Prata Do Leste」の店名で出店して売上を伸ばしたが、店舗の維持運営費の負担が重いため、既往から利益は低調に推移。近年は6店舗を運営して1億3000万前後の年商あげていたが、採算は悪く、赤字が連続。余力のない資金繰りが続いていた。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=4件
  • 負債額=6億3000万円

中部9県下の倒産件数は6件で、前月比では2件増加、前年同月比では8件の減少となった。

負債額は5億1400万円で、前月比1億1600万円(18.4%)の減少、前年同月比では11億1400万円(68.4%)の減少となった。

東海地区以外では(株)マルモ(長野県茅野市、負債1億8000万円)の1件のみ。高級紳士服・婦人服を扱い、店頭小売を主体に県内各市で出張販売を行うほか、地元のゴルフ場やホテルなどを対象に制服の販売も手掛けていたが、当地区に大型専門店や量販店が進出して、取り巻く販売環境が変化。代表者夫妻のみの運営が続いていたが、23年6月に事業を停止していた。