2019年8月全国の繊維倒産集計

件数は前月比6件減少、負債額は大幅増で今年3番目の水準

  • 発生件数39件
  • 負債額=132億6500万円

2019年(令和元年)8月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は39件で、前月比6件(13.3%)減少、前年同月比9件(30.0%)増加した。

負債額は132億6500万円で前月比75億1100万円(130.5%)増、前年同月比8600万円(0.6%)減となった。

負債額10億円を超える大型倒産は(株)ISO(旧商号ラブリークイーン(株)、岐阜市、婦人服製造、負債額40億円)、(株)サンリット産業(大阪市中央区、制服製造、負債33億円)、(株)グローバルユニット(長野県千曲市、カジュアウルエア小売、負債10億900万円)の3社。同5億円以上は(株)クレアテックス(埼玉県八潮市、その他インテリア用品小売、負債額8億9400万円)、(株)フラット・ヘッド(長野県千曲市、カジュアウルエア製造、負債6億8000万円)の2社。

(株)ISOは婦人フォーマルウエアの専業で、量販店を主力販路として、ピーク時には年商176億円を計上した。しかし、年商100億円を割り込んでから赤字決算が慢性化し、他社に事業譲渡した後、資産売却による債務の圧縮に取り組んでいた。

(株)サンリット産業は企業・官公庁向けを主力に各種制服を扱い、ピーク時には80億円近い年商を上げた関西では著名企業であった。しかし、需要の減退や過去の設備投資に伴う借入負担もあって、長く信用不安が取り沙汰されていたが、業績も好転しないまま破たんに至った。

今夏は天候要因により、一部を除く大半の夏物売り場は不発のまま終盤を迎え、9連休の長期休暇には台風10号が西日本を縦断してお盆休みを直撃。花火大会や夏祭り行事、夏物商戦に影響を及ぼした。

また、これまで景気を下支えしてきたインバウンドも、円高に加え、日韓の関係悪化から韓国人観光客が激減して各方面にマイナスの影響が出ている。さらに、期待された消費税増税前の駆け込み需要も、一部の高額商品に限られたものとなり、これまでのところ繊維業界に恩恵は聞かれない。

秋冬物の前倒し販売により、夏物の不振を補っている店頭もあるようだが、繊維業界では婦人衣料を中心に販売不振は深刻な状況が続いており、今後も地方の小規模小売業者の動向に注視したい。

業種別では、「小売商」17件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」9件、「染色整理・特殊加工」「その他」各4件、「寝具・インテリア製品製造卸」3件、「織物卸」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」各1件。

原因別では、「業績ジリ貧」30件、「業況急変」8件、「信用度薄弱」1件。

2019年8月東海・中部の繊維倒産集計

件数は低水準だが、負債額は前月比・前年同期比とも大幅に増加

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=4件
  • 負債額=41億7900万円

東海4県下の倒産件数は4件で、前月比で3件増加、前年同月比では1件増加となった。

負債額は41億7900万円で、前月比41億3400万円(9186.7%)の大幅な増加となり、前年同月比では41億400万円(5472.0%)の増加となった。

業種別では「小売商」2件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」「染色整理・特殊加工」各1件。原因別では「業績ジリ貧」3件、「業況急変」1件。

負債額を押し上げたのは(株)ISO(岐阜市、婦人服製造、負債額40億円)。旧ラブリークィーン(株)として婦人フォーマルウェアやミセス向け婦人服などを扱い、量販店を主力に専門店に販売、ショッピングモールに出店して直販も手掛けていた。2014/5期に年商100億円を割り込んでから赤字決算が慢性化。複数の取引行から支援を仰ぐ厳しい状況となり、2017年12月(株)RVH(東京都)の傘下に入り、2018年1月23日会社分割により、新たに設立した(株)ラブリークィーンに事業を譲渡。2019年1月16日現商号に変更し、同日開催の株主総会の決議により解散していた。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=7件
  • 負債額=58億8100万円

中部9県下の倒産件数は7件で、前月比4件増加、前年同月比でも4件の増加となった。

負債額は58億8100万円で、前月比56億7600万円(2768.8%)の増加となり、前年同月比では58億600万円(7741.3%)の増加となった。

業種別では「小売商」4件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」2件、「染色整理・特殊加工」1件。原因別では「業績ジリ貧」5件、「業況急変」2件となっている。東海4県以外の倒産では長野で2件、富山で1件発生した。

(株)グローバルユニット(長野県千曲市、カジュアルウエア小売、負債額10億900万円)と(株)フラット・ヘッド(同、カジュアルウエア製造ほか、負債額6億8000万円)は、長野県内を中心に「フラットヘッド」「デザートヒルズマーケット」ほかの店名で店舗展開していたが、近年は急激に売上が落ち込んで苦しい状況に陥り自力再建を断念した。