2017年9月全国の繊維倒産集計

倒産件数は前月・前年同月比5件増、負債額も前月比増

  • 発生件数36件
  • 負債額=48億2200万円

2017年(平成29年)9月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は36件で、前月比、前年同月比とも5件増(16.1%)だった。

負債額は48億2200万円で、前月比13億9300万円増(40.6%)、前年同月比10億5800万円減(18.0%)。平成26年2月以来の低水準だった8月と比べると負債額は増えたものの、今年3番目の低い水準となった。

負債額10億円を超える倒産は(株)ロイヤルパトウ(大阪市、婦人セーター類ほか製造、負債12億3400万円)1社、5億円以上も(株)ナカヨシ(大阪市、玩具・娯楽用品ほか卸、負債8億5000万円)1社のみ。当月もこれまでと同じように、大半が小規模・少額倒産で、36件中25件が負債額1億円以下、そのうち16件が5000万円以下だった。

日本チェーンストア協会や日本百貨店協会等が発表する月次の販売状況を見る限りでは、婦人衣料の販売不振は、すでに「慢性化」の域に達している感さえ窺われる。当月の倒産でも、(株)ロイヤルパトウをはじめ(有)セントラル・トゥー(名古屋市、婦人服製造、負債4億6800万円)、プルーフ(株)(岐阜市、婦人服製造、負債3億円)、(株)カブ・インターナショナル(大阪市、ウエディングドレス製造、負債1億9500万円)など、上位10社のうち6社が婦人服関連だった。

また、婦人服関連の中小・零細企業の決算動向を見ても、3月決算では売上高が平均で前期比2割減に近い状況で、さらに月を追う毎に業況は悪化して、6月決算では同3割減に近づいているとも伝えられる。

一部では過去最高売上や過去最良の決算内容となった企業もあるが、それらは例外的と言え、これまで繊維業界を主導してきた婦人服業界の不振は、業界全体に及ぼす波及効果が大きいだけに、業績の早期回復が期待される。

生産面では、他業種も含め、製造コストの削減を図るため、中国を介してアジア地区の第3国に進出する動きが浸透してきたが、納期遅れほかの課題を解消できておらず、まだ、懸念材料も多い。

今後もしばらくは小規模倒産中心に推移するとみられるが、取り巻く経営環境は依然として厳しい状況にある。

業種別では、「小売商」13件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」7件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」6件、「染色整理・特殊加工」「その他」各3件、「紡績・撚糸」「織物卸」「呉服・和装製品製造卸」「寝具・インテリア」各1件。原因別では、「業績ジリ貧」が34件で全体の94.4%を占め、「業況急変」2件だった。

2017年9月東海・中部の繊維倒産集計

件数、負債額とも前月・前年同月を上回る

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=8件
  • 負債額=11億2100万円

東海4県下の倒産件数は8件で、前月比では4件増加、前年同月比では2件増加となった。

負債額は11億2100万円で、前月比9400万円(9.2%)の増加、前年同月比では1億3400万円(13.6%)の増加となった。業種別では「染色整理・特殊加工」「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」「小売商」がそれぞれ2件。原因別では、2か月連続ですべて「業績ジリ貧」となっている。

婦人服製造の(有)センタラル・トゥー(名古屋市、負債4億6800万円)は、自社ブランド「エヌエスシー」を展開、名・岐地区で生地、付属品の仕入れから縫製加工まで行い、関東、関西、中部地区の専門チェーン店に販売するほか11年3月には直営小売店「プレッシブ」を開設してピーク時には6億円弱の年商を確保した。しかしその後は売上が減少して銀行借入の返済の見通しが立たなくなり、28年6月に愛知県信用保証協会が代表者所有の不動産に差押登記するなど苦しい状況が続いていた。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=10件
  • 負債額=12億2600万円

中部9県下の倒産件数は10件で、前月比では4件増加、前年同月比では2件増加した。

負債額は12億2600万円で、前月比7900万円(6.9%)の増加、前年同月比では1億9600万円(19.0%)の増加となった。

東海地区以外では福井市の衣料補修・検品業者など2件の倒産が発生。

和のこころ風姿(滋賀県草津市、負債8500万円)は、一般呉服を主体に、和装小物類を加味して和装製品全般を取り扱い、一般顧客を対象に販売していたが、代表者1人による小規模の運営で、手元資金は常時余裕を欠いていたところ、資金繰りも限界に達した。