2019年1月全国の繊維倒産集計

倒産件数・負債額ともに前月を上回る

  • 発生件数43件
  • 負債額=73億5300万円

2019年(平成31年)1月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は43件で、前月比21件(95.5%)増加、前年同月比7件(14.0%)減少した。負債額は73億5300万円で前月比37億6400万円(104.9%)増加したものの、前年同月比75億2400万円(50.6%)減少した。

負債額10億円を超える大型倒産は、新会社に事業を譲渡して特別清算した(株)ティー・ディー(東京都千代田区、百貨店、負債額12億円、旧商号:㈱鳥取大丸)、(株)日進衣料(名古屋市、インナー卸、負債額11億1000万円)の2件。5億円以上も(株)ワールドワイドラブ(東京都杉並区、婦人カジュアルウエア製造・小売、負債額7億4100万円)、(株)ミレーヌ友田(東京都新宿区、婦人服製造、小売、負債額7億2700万円)の2社。倒産件数は前年同月に次ぐ43件、負債総額は70億円超に上るなど相応の倒産が発生した月となった。

昨年末に日経平均株価が一時2万円割れとなるなど揺れた株式市場であったが、今年の大発会もニューヨーク市場のダウ平均が660ドル以上値下がりした流れから、輸出関連株を中心に売り注文が先行。また、外国為替市場での円高進行がこれに拍車をかけ、3年ぶりに値下がりのスタートとなった。現状では2万数百円台での攻防が続いているが、米政府機関の閉鎖や米中・日米間の通商交渉など、対外要因による下振れリスクの懸念を内包しており、経済動向の不透明感は否めない。

百貨店、ショッピングモールなどの初売り、クリアランスは、天候に恵まれたこともあって、福袋や食品を中心に一定の動きが見られた。

しかし、例年よりも大型連休となったことで旅行などの“コト”消費に需要を奪われ、暖冬による買い控もあり、衣料品関連は、やや期待を下回る結果に終わったところも少なくなかった。

暖冬の影響で在庫負担が重く圧し掛かっている企業も多く、この先の販売動向によっては倒産の増加につながる可能性もある。

業種別では、「小売商」13件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」10件、両業種で23件となり、全体の53.5%を占める。以下「ニット製品・洋品雑貨製造卸」9件、「その他」5件、「染色整理・特殊加工」「呉服・和装製品製造卸」各2件、「寝具・インテリア」「織物卸」各1件。

原因別では、「業績ジリ貧」41件で95.3%を占め、以下「資金力薄弱」2件となっている。

2019年1月東海・中部の繊維倒産集計

件数は依然低水準、負債額は前月・前年同月比で増加

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=2件
  • 負債額=12億1000万円

東海4県下の倒産件数は2件で、前月比2件減少、前年同月比でも2件減少となった。

負債額は12億1000万円で、前月比9800万円(8.8%)の増加となり、前年同月比では6億8000万円(128.3%)の増加となった。

業種別では「ニット製品・洋品雑貨製造卸」「小売商」各1件で、原因別では「業績ジリ貧」「資金力薄弱」各1件となっている。

1月は(株)日進衣料(名古屋市、負債11億1000万円)が負債の大部分を占めた。当社は、中国の協力工場から直輸入する婦人・紳士肌着などを扱い、量販店やディスカウントストアを主力に販売して規模を拡大してきたが、売上ベースの拡大に伴って、直輸入仕入れに係わる資金負担が急速に重くなり、苦しい経営が続いていたが、ここにきて新たな資金調達の見通しが立たなくなり、事業継続を断念した。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=5件
  • 負債額=14億5600万円

中部9県下の倒産件数は5件で、前月比1件減少、前年同月比では2件減少した。

負債額は14億5600万円で、前月比2億8200万円(16.2%)の減少、前年同月比では8億8600万円(155.4%)の増加となった。

業種別では「ニット製品・洋品雑貨製造卸」「小売商」各2件、「紳士・婦人・子供・被服製造卸」1件、原因別では「業績ジリ貧」4件、「資金力薄弱」1件となっている。

東海4県以外では石川県、富山県、滋賀県でそれぞれ1件発生した。

(有)ノーブル(富山県砺波市、負債3000万円)は地元の婦人服縫製業者からの受注で縫製を手掛け、2010年代初期は5000万円前後の年商を上げていたが、当時から赤字決算を多発する厳しい状況が続き、近時も赤字を解消できず、破産を余儀なくされた。