2019年4月全国の繊維倒産集計

大型倒産なく、負債額は平成年代の最少額を更新

  • 発生件数21件
  • 負債額=20億9000万円

2019年(平成31年)4月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は21件で、前月比21件(50%)減少、前年同月比11件(34.4%)減少した。

負債額は20億9000万円で前月比89億3900万円(81.0%)、前年同月比41億5400万円(66.5%)それぞれ減少した。

今年は年明けから、負債額10億円以上の大型倒産や同5億円以上の倒産が散発し、毎月前年を上回る負債額で推移。中でも3月は、負債額5億円以上の倒産が7社発生したことで、昨年8月以来の負債額100億円台となった。

当月は一転して、負債額5億円以上の倒産は発生せず、(株)わけあり本舗(東京都、婦人服・服飾雑貨小売ほか)の負債額4億円が最大で、負債額5000万円以下の小規模倒産が12件と、過半数を占めたため負債額は大幅に減少した。

また、倒産が集中する月末の最終週が月をまたぐ10連休のGWとなり、末日決済分が7日に先送りされたことも重なって、件数は2017年11月の17件に次いで平成年代では2番目の低水準で、負債額は同年同月の21億6700万円を下回り、平成年代の最少額を更新した。

当月は1日から、乳製品、麺類、缶詰、ペットボトル飲料など食料品を中心に多品目にわたり、値上げが実施された。背景には原材料の高騰や人件費、物流コストの上昇などの要因がある。

繊維業界では、百貨店やファッションビルなどの店頭は春物が好調だった3月から一転、寒暖差が激しくなったことで、初夏物の動きが鈍かった。またメーカーからは受注の停滞感が続いているとの声も聞かれるなど懸念要素を内包しており、市場全般の動向を引き続き注視する必要がある。

業種別では、「小売商」が10件で全体の約半分を占めた。以下「その他」4件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」3件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」2件、「織物製造」、「寝具・インテリア製造」各1件。

原因別では、「業績ジリ貧」が19件で90.5%を占め、以下「資金力薄弱」「業況急変」各1件。

2019年4月東海・中部の繊維倒産集計

負債額は前月比、前年同月比で大幅減少

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=1件
  • 負債額=4000万円

東海4県下の倒産件数は1件のみとなり、前月比で4件減少、前年同月比では3件減少となった。

負債額は4000万円で、前月比27億6300万円(98.6%)の減少となり、前年同月比では9億9100万円(96.1%)の減少となった。

業種別では「寝具・インテリア製造」、原因別では「業績ジリ貧」となっている。

(有)ベビーウィンドウ(愛知県一宮市、ベビーふとん製造、負債額4000万円)は、綿や羽毛などを使用したベビー・子供用の掛布団、敷布団、枕、カバー、タオルケット、授乳クッションのほか、布団と枕の「ベビー布団セット」も取り扱い、外注利用にて製造。東海地区などで展開するベビー用品専門店などに販売するほか、インターネットでの小売も手掛け、近年は年商1億円弱で推移していたものの、諸経費などの負担から収益面は低調で、資金的にも多忙な状態が続いていたところ、事業継続が困難になった。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=2件
  • 負債額=1億9000万円

中部9県下の倒産件数は2件で、前月比6件減少、前年同月比では4件の減少となった。

負債額は1億9000万円で、前月比61億2900万円(97.0%)の減少となり、前年同月比でも12億3700万円(86.7%)の減少となった。

業種別では「寝具・インテリア製造」「織物製造」各1件、原因別では2件とも「業績ジリ貧」となっている。

東海4県以外の倒産では石川で1件発生した。

山本絹職(株)(石川県小松市、合繊広幅織物製造、負債額1億5000万円)は、合繊織物やジャガード織物素材の婦人服地を扱い、主に商社や大手アパレルから受注して、自社及び地元の外注工場で製造。一時は2億円強の年商をあげたが、赤字を散発するなど利益は低調な推移で、2000年代に入ると国内生産の需要が減少するなど苦しい状況となっていた。近年は、取引銀行に対し借入金返済のリスケを要請、信用保証協会が借入金の大半を代位弁済する状況に陥っていた。