2018年7月全国の繊維倒産集計

3カ月振りに件数・負債額とも増加

  • 発生件数39件
  • 負債額=67億8600万円

2018年(平成30年)7月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は39件で、前月比11件(39.3%)、前年同月比9件(30.0%)の増加となった。

負債額は67億8600万円で前月比20億1500万円(42.2%)、前年同月比13億8400万円(25.6%)増加した。

負債額10億円を超える大型倒産は美津和屋(株)(愛知県弥富市、衣料品ほか小売、負債額20億円)、ヤバネスポーツ(株)(東京都台東区、スポーツ用品ほか卸、負債額15億1900万円)の2社が発生、5億円以上は0件で、1億円以下の小規模・小口倒産が全体の76.9%を占めたが、上述2社が負債額を押し上げる形となった。

負債額トップの美津和屋(株)は、業績不振であった関連会社との合併、支払遅延の発生などにより信用不安が拡大していたところ、突如事業の大半を他社に譲渡し解散、特別清算の準備に入ったことで、注目される破たんとなった。

また、ヤバネスポーツ(株)は、学納向けのスポーツ問屋としてピーク時には130億円を超える年商を計上していたが、業界の構造的な問題である少子化などの影響により大きく売上を落とす中、主力仕入先が取引条件の見直しに至ったこともあって資金繰りに窮し、スポンサーを求めて民事再生法を申請することとなった。

当月は、6月に発生した大阪北部地震の復興途上の中、西日本豪雨により岡山・広島などに甚大な被害が発生、更に台風12号が追い打ちをかけたこともあって、西日本中心に大きな経済的損失となった。

こうした中、百貨店は6月に続き、2回目の夏セールを開催、都市圏を中心にインバウド、酷暑により夏物衣料も好調に推移したが、前述の災害の影響で先行き消費の閉塞感は拭えない。

中小企業においては、人手不足や原材料高などもあって卸・小売を中心に非製造業の景況感が悪化しており、引き続き大型倒産の多発はないと見られるが、慢性的な経営不振に伴う企業淘汰は徐々に進むものと見られる。

業種別では、「小売商」16件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」9件、「その他」6件、「染色整理・特殊加工」「織物卸」各2件、「織物製造」「糸・原料商」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」、「寝具・インテリア製品製造卸」各1件件。

原因別では、「業績ジリ貧」が33件で全体の84.6%を占め、以下「業況急変」3件、「資金力薄弱」2件、「信用度薄弱」1件。

2018年7月東海・中部の繊維倒産集計

件数は今年最少、負債額は前月並に

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=2件
  • 負債額=20億5500万円

東海4県下の倒産件数は2件で、前月比4件減少、前年同月比では6件の減少となった。

負債額は20億5500万円で、前月比5億2500万円(20.3%)の減少となったが、前年同月比では9億6500万円(88.5%)の増加となった。

業種別では「小売商」「染色整理・特殊加工」がそれぞれ1件。原因別では「業績ジリ貧」「資金力薄弱」がそれぞれ1件となっている。

美津和屋(株)(愛知県弥富市、負債20億円)は、実用衣料のミツワヤ事業部と婦人服のアロー事業部の2体制で業容を拡大していたが、昭和54年2月(株)ミツワヤ、(株)アローとして、それぞれ独立、当社は不動産賃貸・管理に業態転換していた。その後最終的に実用衣料の小売業に戻り、愛知県下を中心に11店舗を展開したが、早々から厳しい商況を強いられ、取引関係先に対する支払い遅延などで信用が低下するなど苦しい展開となっていた中で、事業を他社に譲渡、近く特別清算を申請する。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=5件
  • 負債額=25億1700万円

中部9県下の倒産件数は5件で、前月比4件減少、前年同月比では5件減少した。

負債額は25億1700万円で、前月比2億3100万円(8.4%)の減少、前年同月比では12億3900万円(96.9%)の増加となった。

業種別では「小売商」が2件、「染色整理・特殊加工」「寝具・インテリア製品製造卸」「織物卸」がそれぞれ1件。原因別では「業績ジリ貧」が3件、「資金力薄弱」「信用度薄弱」がそれぞれ1件。

東海地区以外の発生は3件で、すべて福井だった。