2019年3月全国の繊維倒産集計

件数増加、負債額も昨年8月以来の100億円台

  • 発生件数42件
  • 負債額=110億2900万円

2019年(平成31年)3月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は42件で、前月比で5件(13.5%)増加、前年同月比で9件(27.3%)増加した。

負債額は110億2900万円で前月比31億4100万円(39.8%)、前年同月比70億9300万円(180.2%)それぞれ増加した。負債額10億円を超える大型倒産は(株)ロン・都(長野市、婦人服・洋品小売、負債額34億9200万円)、(株)マルカ(名古屋市、子供丸編ニットウエアほか製造、負債額10億円)の2社。負債額5億円以上は(株)トミナガ(名古屋市、ユニホームほか製造、負債額9億5335万円)、(株)ODFT(神戸市、資材用織編物卸、負債額7億5000万円)、ロザーヌテキスタイル(株)(新潟県長岡市、服地製造、負債6億6400万円)、(株)ミヤリネン(宇都宮市、リネンサプライ、負債5億4000万円)、(株)ヤマナミ(静岡市、スポーツ用品小売、負債額5億円)の5社。

負債額トップの(株)ロン・都は県内最大手の婦人服小売チェーン店として知られ、郊外型のショッピングセンターを中心に店舗展開し、ピーク時には70億円を超える年商を計上していた。その後、同業他社との競合などから業績不振に陥り、金融機関の支援のもと経営再編を目指したが、自主再建を断念した。 インバウンドの復調や気温上昇などにより、一部では春物衣料が徐々に動き出したが、やや商機を逸した感があり、上場大手アパレル・チェーンでは業績予想の下方修正を行う先もあるなど、先行きの見通しは不透明である。

また、2009年12月4日に施行された中小企業金融円滑化法は、2013年3月末に期限を迎えたものの、金融庁はその後も任意で金融機関に対し「貸出条件の変更実施状況」の提出を求めていた。同報告書の提出は倒産多発の抑止力になっているとの見方もあったが、2019年3月期を最後に休止。国内景気の動向も交え、懸念材料に挙げられる。

業種別では、「小売商」19件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」10件、両業種で29件となり全体の69.0%を占めた。以下「ニット製品・洋品雑貨製造卸」「その他」各4件、「織物卸」2件、「織物製造」「呉服・和装製品製造卸」、「寝具・インテリア製造各1件。

原因別では、「業績ジリ貧」が35件で83.3%を占め、以下「業況急変」4件「放漫経営」「資金力薄弱」「信用度薄弱」各1件。

2019年3月東海・中部の繊維倒産集計

負債額は前月比、前年同月比で大幅増加

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=3件
  • 負債額=28億300万円

東海4県下の倒産件数は5件となり、前月比で2件増加、前年同月比では1件増加となった。

負債額は28億300万円で、前月比22億300万円(367.2%)の増加となり、前年同月比では22億500万円(368.7%)の増加となった。 業種別では「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」「小売商」各2件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」1件。原因別では「業績ジリ貧」3件、「業況急変」2件となっている。

(株)マルカ(名古屋市、ニット製品製造、負債額10億円)はトレーナー、ポロシャツなどニット製品を得意にして傍系の中国現地工場で生産、SPAのほか小売業者に販売していたが、近年は低空飛行が続き、さらに2017年にはスポンサー企業の傘下から外れることとなって、事業継続の見通しが立たなくなった。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=8件
  • 負債額=63億1900万円

中部9県下の倒産件数は8件で、前月比5件増加、前年同月比では3件の増加となった。

負債額は63億1900万円で、前月比57億1900万円(953.2%)と大幅増加となり、前年同月比でも57億100万円(922.5%)の増加となった。

業種別では「小売商」5件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」2件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」1件。原因別では「業績ジリ貧」5件、「業況急変」2件、「放漫経営」1件となっている。

東海4県以外の倒産では長野、富山、滋賀で各1件発生した。

負債額を大きく増加させたのが(株)ロン・都(長野市、婦人服・洋品小売、負債額34億9200万円)。長野県を中心とした近隣県において合計23店舗を運営しているが、大手量販店との競合、ネットショップの台頭により減収が続き、2期連続で経常赤字を計上するなど苦しい経営が続き、金融機関への返済猶予を受けていたが、自力での立て直しは困難となり、民事再生手続の申請となった。