2017年10月全国の繊維倒産集計

前年同月と比べ件数は増えたが、負債額はほぼ同額

  • 発生件数36件
  • 負債額=80億9700万円

2017年(平成29年)10月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は36件で、前月と同件数、前年同月比は7件増(24.1%)だった。

負債額は80億9700万円で、前月比32億7500万円増(67.9%)、前年同月比2億6400万円減(3.2%)。

負債額10億円を超える倒産は(株)システムジュウヨン(大阪市、日用品雑貨小売ほか、負債33億円)とニッシン(株)(大阪府富田林市、ウイルトンカーペット製造、負債10億円)の2社。5億円以上は扇屋(岩手県北上市、婦人服・洋品小売、負債6億2000万円)とピー・エフ・エム(株)(大阪市、スポーツウエア製造、負債5億3400万円)の2社だった。負債額5億円以上の4社総額で54億5400万円(シェア67.4%)となり、前年同月の同3社総額56億9400万円(シェア68.1%)とほぼ同じ内容だった。負債額1億円以下の少額倒産は25件で約70%を占め、そのうち17件が5000万円以下。

少規模倒産ではあるが、(株)大濤興産(新潟県見附市、特殊加工)、成田刺繍工業㈱(京都市、刺繍加工)など産地の加工業者4社が破たんした。

いずれも近年は零細経営となっていたため、産地への影響は少ないとみるが、過去には100人近くの従業員を擁していた工場もあった。国内生産の衰退により、国内の加工業者数は年々減少の一途を辿っている。また一方では、技術者不足による廃業や転業の実態も報告され、物づくりの現場は危機的状況を迎えはじめていることが窺われる。

10月に入ると、9月中旬以降の気温低下を背景として、コートなどのアウターを中心に秋冬物衣料の販売が堅調となり、久し振りに天候要因がプラスに作用した。ところが、秋の行楽シーズンが本格化する中旬以降は、季節外れの長雨が続いた後、2週続けて週末に台風が上陸・接近し、消費動向には大きなマイナスとなった。

繊維業界も今年は天候不順に悩まされ続け、売上高不足に悩むが企業も多く、年末商戦を迎える今後の動向如何によっては、先行き予断を許さないものとみられる。

業種別では、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」「小売商」各11件、「染色整理・特殊加工」4件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」3件、「寝具・インテリア」「その他」各2件、「糸・原料商」「織物卸」「呉服・和装製品製造卸」各1件。原因別では、「業績ジリ貧」が33件で全体の91.7%を占め、「放漫経営」「資金力薄弱」「業況急変」が各1件だった。

2017年10月東海・中部の繊維倒産集計

件数、負債額とも前月を下回る

東海
  • 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)
  • 発生件数=4件
  • 負債額=4億4000万円

東海4県下の倒産件数は4件で、前月比では4件減少、前年同月比では2件増加となった。

負債額は4億4000万円で、前月比6億8100万円(60.7%)の減少、前年同月比では2億7600万円(168.3%)の増加となった。業種別では「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」「寝具・インテリア製品製造卸」「その他」がそれぞれ1件。原因別では、3か月連続ですべて「業績ジリ貧」となっている。

(有)HALコーポレーション(愛知県蒲郡市)は、繊維卸センターに事務所を構え、ふとんカバーを主体に 座布カバー、枕カバーを扱い、市内の業者に販売していたが、9年12月当時の主力販売先の1社に貸倒れが発生して経営危機に陥った経緯がある。その後は大阪の業者の専属下請製造に業態に転換したが、運転資金などに投じた借入の返済負担が重荷となり、長期に亘り余力のない苦しい資金繰りが続いていた。


中部
  • 中部9県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野・富山・石川・福井・滋賀)
  • 発生件数=6件
  • 負債額=5億1700万円

中部9県下の倒産件数は6件で、前月比では4件減少、前年同月比では2件増加した。

負債額は5億1700万円で、前月比7億900万円(57.8%)の減少、前年同月比では2億8300万円(120.9%)の増加となった。

東海地区以外では長野県佐久市と富山県高岡市の小売商2件の倒産が発生。

個人経営の米島洋装店(富山県高岡市、負債5200万円)は、路面店にて婦人洋品の小売を行っていたが、規模的には零細だったが、関連会社で金属製品製造業のデンコー・アルマックス(株)(富山県射水市)に事実上連鎖した。