2025年12月全国の繊維倒産集計
件数は前月比同数、負債額は前月比・前年同月比で増加
発生件=31件
負債額=182億800万円
2025年(令和7年)12月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は31件で、前月比は同件、前年同月比では2件(6.9%)増となった。
負債総額は182億800万円で、前月比では120億6200万円(196.3%)増、前年同月比では137億500万円(304.4%)の増となった。
負債額10億円以上の倒産は、マツオインターナショナル(株)(東京都渋谷区、婦人服製造小売、負債額76億8200万円)、松尾産業(株)(実質本社:大阪市中央区、婦人服地ほか卸、負債額34億3000万円)、ドッグ繊維(株)(和歌山市、婦人丸編ニットウエア製造、負債額23億円)、神繊興業(株)(兵庫県豊岡市、撚糸加工、負債額11億円)の4社、5億円以上は3社が発生した。
マツオインターナショナル(株)は、ミセスを主体とした婦人服メーカーとしてスタートしたが、その後SPAにシフトし百貨店中心に多店舗化を進め、2014/8期には年商168億8400万円を計上していた。しかし、経費負担増加などから同期は1億2300万円の赤字となるなど収益面は低調化。その後、売上は伸び悩み、破たんした(株)ロン・都(長野市)の一部事業を継承したが、翌期以降はコロナ感染拡大で業績不振に陥り、2021/8期には債務超過に転落。2025年に入り中小企業活性化協議会に支援要請。スポンサーを模索しながら事業を継続していたが、金融機関の足並みが揃わず、会社更生法を申立て再建することとなった。
同時に会社更生法を申請した松尾産業(株)は婦人服地を主体に扱っていたが、近年はマツオインターナショナル(株)関連の取引が増加、同社への多額の債務保証もあって連鎖する形となった。前述2社の負債が全体を押し上げ、12月としては2010年以来の負債総額100億円超えとなった。
当月は日銀が1月以来の政策金利追加利上げに踏み切ったことで長期金利が2%を超え、為替も円安が進行する状態となり、企業にとって仕入コスト高は変わらず、借入金の支払利息増加が収益を圧迫することも考えられる。
繊維業界においても当月中旬から暖冬傾向にあり、冬物衣料の動きが鈍化し、カジュアルチェーンの一部などでは苦戦を強いられており、年始商戦を含め、消費動向は好調と言い難い。 業種別では「小売商」13件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」8件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」「染色整理・特殊加工」各3件、「織物製造」「織物卸」「寝具・インテリア製品製造卸」「その他」各1件。原因別では「業績ジリ貧」27件で87.1%を占め、以下「業況急変」3件、「資金力薄弱」1件。

