肥満症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病は各々独立したものではなく、内臓脂肪の肥満が主因になっている場合が多い。それによってさまざまな病気が引き起こされ易くなる状態を「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪症候群=通称メタボ)と呼ぶ。 その該当者や予備軍は心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクが非常に高くなるとされる。厚労省「国民健康・栄養調査」によると40~70代の男性では2人に1人、女性は5人に1人がメタボかその予備軍に当たり、健康リスクを背負っている。 では、内臓脂肪を減らすにはどうすればよいか? 食生活の改善と、何より適度な運動が重要なのはいうまでもない。運動で体脂肪を減らすには、体脂肪をエネルギーとして活用し燃焼させることがポイントだ。 効果的なのは、長時間継続して行う有酸素運動である。適度な速度でのウォーキング、ジョギング、水泳がその代表格だが、ただし、それらの運動を少なくとも20分以上継続して行う必要がある。というのは、人が運動を始めると最初に消費されるのはグリコーゲン(糖分)で、その糖分消費が20分程度で終わった後、次に体脂肪を運動エネルギー源として使い始める仕組みに人間の身体はなっているからだ。 だから、かなり汗をかくスピードで毎日15分ジョギングを1カ月続けても、身体維持機能の向上には効果があるけれど、内臓脂肪は期待したほどは減らない。それよりも汗が滲む程度のゆっくりした速さで毎日30分歩いたほうが、内臓脂肪の燃焼には効果が大きい。焦らず、時間をかけ、継続することがメタボ対策のポイントだ。 会社経営に例えるなら、過剰な内臓脂肪の代表は交際費や接待費だろう。規模に見合わない人件費も同じ。そこで大胆なリストラに取り組み、立ち直った企業がある半面、減らし過ぎて社員のモチベーションが低下、有能な営業マンが辞めるなど更なる企業リスクを生むケースも少なくない。大量の汗をかいたことで無用な脂肪が燃焼したと勘違いせず、本質を見極めながら、長期計画で「贅肉落とし」に取り組むことが肝要だ。 「チャリ通」―― 自転車通勤はいかがか? これも「片道20分以上」が条件だそうだが、手軽だし、何より、一度始めると簡単にはやめられない点がメタボ対策としては都合がよい。朝夕めっきり寒くなってきたが、だからこそあえて街の中を、風を切って走ってみてはどうか。いままで気付かなかった何かを発見する楽しみも、たぶんありそうだし。 |
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