普段のんびりしている教師でさえ走り出すほどあわただしくなるから「師走」――と理解しているなら、それは間違いだ。「師走」の語源には諸説あるが、かつては年の暮れにも、坊さん(=師)が檀家の先祖供養のため一軒一軒を忙しく回った習わしに由来するとの説が最も有力である。同じように、どこでどう間違ったのか分からないまま私たちがとんだ「勘違い」をしている例が、世の中には少なくない。たとえば――。 5月5日の「こどもの日」とはどんな祝日か? 「こどもたちの健やかな成長を喜び祝う日に決まってるじゃないか」という回答では、残念ながら50点。昭和23年施行の「祝日法」にはこう明記されている。「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日」 そう、「母に感謝する日」でもあるのだ。では父親は?――何も触れられていないところをみると、父親の存在などどうでもよいらしい。 今年は日本人宇宙飛行士・若田光一さんが国際宇宙ステーションに乗り込み、「無重力の中で、さまざまな実験に取り組んだ」と新聞・テレビが伝えた。しかし、その表現は正しくない。なぜなら、地球からわずか400km上空の宇宙ステーション内では、物の重さは地表の13%ほど軽くなっているだけで、「無重力」状態ではないからだ。それでも物体が空中でプカプカ浮かんでいるのは、ステーションが90分で地球を一周する猛スピードで飛びながら地球に向けて落下しているため。急降下する飛行機内で身体が浮くのと同じ原理で、「無重力的」状態ではあっても「無重力」ではないのだ。 「学校なんかに行きたくない」とグズる子供を、親が「何を言ってるんだ。中学までは義務教育。嫌でも行かなきゃダメ」と叱る。これも勘違いだ。憲法26条第2項で「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う」とある通り、義務教育の「義務」は、子供が教育を受けなければならない義務ではなく、親が子供に教育を受けさせなければならない義務なのだから。 米軍普天間飛行場の移設問題を巡る鳩山さんの方針が見えてこない。自身の偽装献金問題についての処理があやふやだ。来日した中国の習近平国家副主席と天皇陛下の面会をセッティングした経緯が異例かつ強引である――等々の背景が影響しているのか、マスコミ調査による鳩山内閣支持率が軒並み50%台へ下落している。国民が何を期待して民主党に1票を投じたのか――民意の解釈を勘違いしていると、恐いですよ、鳩山さん。 |
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