▽ガラガラポン=こんがらがった話をいったんゼロに戻してやり直す ▽下駄を履かせる=実際の数字に上乗せする ▽ノミュニケーション=酒を飲んでコミュニケーションを図る――など、コピーライター・糸井重里氏が著書「オトナ語の謎」で「社会に飛び交う謎めいたオトナ語」の1つに挙げている言葉に「そもそも論」がある。 「そもそも論」――日経新聞10月16日付コラム「大機小機」は、「補正削除 3つのそもそも論」の見出しで、今年度補正予算の2割、2兆9000億円を執行停止にしようとする新政権の方針について疑義を呈した。いわく、1、そもそも補正予算を削減するというのは適切か 2、そもそも補正予算を削減した分を本予算の財源にして良いのか? 3、そもそも財政再建はどうなるのか、の3点を挙げ、「補正予算を削減し新政策の財源にする方法は、そもそも最初から大きな問題があったことになる」と結論付けた。世論調査では補正削減を支持する向きが多い中、勇気ある指摘と思う。 来年度予算の概算要求の中から不要不急の事業や過大な予算要求を洗い出す「事業仕分け」が、連休明け24日から第2ラウンドに入った。これまで国民の耳目に触れる機会がなかった予算の提出者と査定者による議論の過程が初めて公開されたのは、政権交代によって可能になった歓迎すべき制度改革の第1弾といってよかろう。 第1ラウンドでは事業廃止や予算の縮減・計上見送りや、独立法人の基金や特別会計などいわゆる「埋蔵金」の国庫返済など合わせて1兆3000億円に上った「成果」を、とりあえず評価してよいのではないか。半面、仕分人サイドの、ヒステリックにさえ映る討議の進め方はどうかと思うし、赤字運営を追及された日本科学未来館・毛利衛館長が「(公立)高校、大学の経営で赤字を問題にしますか? その認識自体が官僚的発想だ」と指摘した「そもそも論」的反論にも、真摯に耳を傾ける必要があるだろう。 「いま経営者に一番大事なことは何か。それは自らに『問う』ことです」――立教大学経済学部・山口義行教授は先日開かれた講演会「経済再生は“現場”から始まる」(大塚商会主催)でそう話した。「お客さんのニーズは何かを問い続ける。自社の強みは何かを問い続ける。『経営者には定年退職がないが、いつ辞めたらいいですか』と聞かれることがあります。『問わなくなったら辞めるべきだ』と私は申し上げている。問わない経営者はただの邪魔者。問う姿勢が革新を生み出していくのです」 自問し続けよう。 |
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