1月=東新住建(住宅建築・マンション販売)、クリード(不動産投資・運用)、エス・イー・エス(半導体洗浄装置製造)、サイバーファーム(ビジネスソリューションサービス)、2月=中道機械(建設機械卸)、日本綜合地所(マンション分譲)、ニチモ(マンション分譲)――と今年すでに7社を数える上場企業の倒産の8社目は、一般消費者にさらに身近なアパレル業・小杉産業の自己破産だった。 同社の主力ブランド「ゴールデンベア」は、1970年代に巻き起こった「ワンポイント・ブーム」の主役として人気を博した。その後「ジャンセン」やレディス向けブランド「マリサ・クリスティーナ」なども加えながら、百貨店、大手量販店を主販路に業容を拡大、86年1月期には売上高814億円を計上した同社。 しかし、バブル崩壊後は個人消費の落ち込みに合わせて業績が悪化。02年1月期以降、7期連続で経常赤字を続けていた。このため05年から投資ファンドの傘下に入り、資本増強や不動産売却など会社再建に取り組んでいたが、08年1月期は連結売上高280億円、最終利益49億円の赤字にまで業績が後退。金融情勢が厳しくなった昨秋からは資金繰りが窮迫、スポンサー探しも不調に終わって、立ち行かなくなった。 先月の「日経MJ」紙が同社の今後の商品戦略を伝えていた。「(「ゴールデンベア」ブランドを)主軸の50〜60代向けに加え、40代向けの強化も検討する」と。しかし、倒産後にネットで見かけた消費者の声は「昭和の香りが漂うおじさんブランド」「すでに賞味期限切れ」等々と手厳しい。1883年(明治16年)創業―業歴126年という「老舗」だからこそ、ファンド出身の若い経営者に代わってもなお過去の成功体験から脱し切れない体質の古さに、破綻の真因があったのではなかろうか。 日本の08年10−12月期の国内総生産(GDP)成長率が実質で前期比年率12.5%減と、第一次石油ショック後の74年1−3期(同13.1%減)以来35年ぶりに大幅に落ち込んだ。「戦後最大の経済危機」と与謝野経済相。この人が口にするとズシリと響く。 今回の世界的不況の震源地・米国の同3.8%減をはるかに上回る日本経済の急な減速は、輸出依存が高いためだ。だからこそいま消費刺激―内需拡大への景気・経済対策が急務な最中(さなか)にもかかわらず、経済関係担当大臣が、こともあろうに「酔っ払い?」疑惑で辞任するなんて、国民を愚弄するにもほどがある。麻生さん、もうお辞めなさい。 |
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